わんちゃんの悩み相談事例

 

「相談1」 あるHPで「噛んできた時は無視して相手にしないのが最良」との記述に触れ、実行してみたところ、(噛んできた時、私が後を向いて立ち一切相手にしない)確かにすぐに向こうに行って他の物をかじりはじめました。しかし、これが本当に噛みぐせの抑止につながるのでしょうか。噛むものが無くなったから別のものを噛みに行っただけで、人間の手が戻ってくればまた噛もうとします。根気よく「無視」の方法を続ければ効果が上がるものかどうか自信がありません。

 

Subject: ワラにもすがりたい者からの質問  Date: Tue, 17 Aug 1999 13:49:41 -0000 From: "K**** K*******" <B****654@*****.ne.jp>  To: <oak−wood@ba2.so-net.ne.jp>

 はじめまして。***市に住む*****と申します。貴HPを拝見しワラにもすがる思いでMailしました。実は、先月から自宅で飼い始めたゴールデンレトリーバーの「噛みぐせ」に悩み、質問させていただきたいのです。

 我がゴールデンは1999年6月5日生まれのメスで生後43日目に自宅に引き取りました。本日8月17日現在で生後73日になります。名前は「ハイジ」としました。このハイジ、我が家に来た当時から当然のごとく、じゃれて家族に噛みついておりましたが、噛みぐせをつけてはイカンと生後60日頃よりいわゆるシツケをはじめました。手を噛んできた時、まず言葉で「ダメ」と強く叱りますが聞き入れません。そこで、首根っこをつかまえて揺すったり、あお向けにして押さえ込んだりと、マニュアル本にあるような罰を科しますが興奮して反抗するばかりです。あお向けにして押さえ込むと一瞬静かになりますが、誉めて手を離すと再び噛みついてきます。あろうことか、その時は威嚇のポーズを取り、飛びついて噛んできます。もちろん私はその都度押さえ込んで最後にはケージの中に戻し無視します。でも、次にケージから出すとまた同じことの繰り返しです。何度か押さえ込んだ後、抱き上げて逆にやさしく話かければおさまる時が多いような気がします。興奮が静まった後、再び抱き上げようと手を出すと、後ずさりして逃げる時と伏せて服従のポーズを見せる時と2種類の反応があります。私に勝てないことは一応分かっているようではあります。それでも、一旦興奮しだすと飼い主に反抗し、本気で噛みついてくることに変わりはありません。

 つい最近、あるHPで「噛んできた時は無視して相手にしないのが最良」との記述に触れ、実行してみたところ、(噛んできた時、私が後を向いて立ち一切相手にしない)確かにすぐに向こうに行って他の物をかじりはじめました。しかし、これが本当に噛みぐせの抑止につながるのでしょうか。噛むものが無くなったから別のものを噛みに行っただけで、人間の手が戻ってくればまた噛もうとします。根気よく「無視」の方法を続ければ効果が上がるものかどうか自信がありません。別のHPには「子犬が1m程ふっ飛ぶくらいのことをしないと子供には叱られていると分からない」との記述もあり、迷いは増すばかりです。糞尿の始末や餌やりなどハイジに触れる機会の一番多い私の手が噛みつきの一番の対象ですが、妻や長男(高2)・長女(中2)・次男(小5)も例外ではありません。家族は特に衣服を引っ張られることが多いようです。家族が噛まれている時、私がそばにいれば抱き上げて無理やり引き離すとしぶしぶ従いますがスキあらば再び噛みに戻ります。ちなみに我がハイジは引き取って以来、廊下においたケージの中に入れており、朝と夜の2回、ケージから出して30分〜1時間程度廊下で遊ばせています。 2回目の予防注射が終わっていないのでまだ屋外には出していません。共稼ぎなので、日中は私の母(72歳)が留守を預かっており、私や妻や子供たちが出勤・登校した後、ハイジはケージの中で騒ぎもせず、おとなしく(退屈?)しているそうです。以上、長々と状況を述べてしまいましたが、以下に整理して質問をさせていただきます。

1)「無視」の方法をしばらく続けるつもりですが、合わせて「首根津っこ掴み」や「あお向け押さえ込み」も織り交ぜてよいのでしょうか?それとも興奮させないために「無視」するだけにとどめるべきでしょうか?

2)どっちみち「押さえ込み」のような体罰準拠の方法を織り交ぜるなら、いっそのこと心を鬼にして1mふっ飛ばした方が効果的なのでしょうか?

3)興奮しやすい性格の犬のような気がしますが、いくら興奮したからといって飼い主に本気で反抗するような態度は成長と共に解消されるものなのでしょうか?

4)共稼ぎで、日中放っておかれるストレスも噛みぐせの原因の一つになっていそうですが、仕事をやめるわけにもいかず、日中の不満をうめる何か良い方法はないものでしょうか?

5)その他、噛みぐせを直す別の方法論があれば教えていただきたく、さらに全般的に今後注意すべき点についてもご教示賜りたく存じます。

 

 Subject: Re: ご返事@ワラにもすがりたい者からの質問  Date: Tue, 17 Aug 1999 21:57:05 +0900  From: たろはなファミリー <oak-wood@ba2.so-net.ne.jp> To: K**** K******* <B****654@*****.ne.jp> References: 1

中嶋柏樹@太郎華家族です。                                               

手を噛んできた時、まず言葉で「ダメ」と強く叱りますが聞き入れません。そこで、首根っこをつかまえて揺すったり、あお向けにして押さえ込んだりと、 マニュアル本にあるような罰を科しますが興奮して反抗するばかりです。                                            

(中嶋)ハイジちゃんは、遊んで貰えて喜んでいます。                                    

 あお向けにして押さえ込むと 一瞬静かになりますが、 誉めて手を離すと 再び噛みついてきます。あろうことか、その時は威嚇のポーズを取り、飛びついて噛んできます。                                               

(中嶋)やはり遊んで貰っていると思っています。                                      

 もちろん私はその都度押さえ込んで最後にはケージの中に戻し無視します。でも、次にケージから出すとまた同じことの繰り返しです。                                                       

(中嶋)噛んだ時は入れられてしまうと、だんだん判って来ます。                               

 何度か押さえ込んだ後、抱き上げて逆にやさしく話かければおさまる時が多いような気がします。 興奮が静まった後、 再び抱き上げようと手を出すと、後ずさりして逃げる時と伏せて服従のポーズを見せる時と2種類の反応があります。私に勝てないことは 一応分かっているようではあります。                                                  

(中嶋)躾る努力で、すでに学んだのです。                                         

それでも、一旦興奮しだすと 飼い主に反抗し、本気で噛みついてくることに 変わりはありません。               

(中嶋)遊びたくて仕方ないのです。許される範囲と許されない程度を教えて下さい。                      

 つい最近、あるHPで「噛んできた時は無視して相手にしないのが最良」との記述に触れ、 実行してみたところ、(噛んできた時、私が後を向いて立ち 一切相手にしない) 確かにすぐに向こうに行って他の物をかじりはじめました。しかし、これが本当に噛みぐせの抑止につながるのでしょうか。噛むものが無くなったから 別のものを噛みに行っただけで、人間の手が戻ってくればまた噛もうとします。   

(中嶋)遊んで貰えないので、遊ぶ相手を他に求めただけのことです。                             

根気よく「無視」の方法を続ければ効果が上がるものかどうか自信がありません。                        

(中嶋)その間にテーブルの足を噛ったら、そのままにしておくのでしょうか。                         

別のHPには「子犬が1m程ふっ飛ぶくらいのことをしないと 子供には叱られていると分からない」との記述もあり、 迷いは増すばかりです。                                                           

(中嶋)噛まなくなるでしょうが、寄りつかなくもなります。そして見つからないように隠れて噛ります。             

糞尿の始末や餌やりなどハイジに触れる機会の一番多い私の手が噛みつきの一番の対象ですが、妻や長男(高2)・長女(中2)・次男(小5)も例外ではありません。 家族は特に衣服を引っ張られることが 多いようです。 家族が噛まれている時、私がそばにいれば抱き上げて無理やり引き離すとしぶしぶ従いますがスキあらば再び噛みに戻ります                             。

(中嶋)いままで親や同胞と一緒で遊んでいたのですから、遊びたいのは当然です。この元気がなかったら、かえって心配です。   

ちなみに我がハイジは引き取って以来、廊下においたケージの中に入れており、 朝と夜の2回、ケージから出して30分〜1時間程度廊下で遊ばせています。2回目の予防注射が終わっていないので まだ屋外には出していません。                     

 (中嶋)しばらくは、これでよいと思います。ただ廊下で遊ばせる時には、素手ですと十分遊んであげられないので、豚皮の作業用手袋 (日曜大工の店に600円ぐらいで売っている)をはめてヘバルぐらい充分に遊んであげて下さい。皮手袋で遊んではいけないと書いてある本もありますが。                                                     

共稼ぎなので、 日中は 私の母(72歳)が留守を預かっており、私や妻や子供たちが出勤・登校した後、ハイジはケージの中で騒ぎもせず、おとなしく(退屈?)しているそうです。                                             

(中嶋)お婆ちゃんでは遊んで貰えないと、承知しているからです。                               

以上、長々と状況を述べてしまいましたが以下に整理して質問をさせていただきます。                       

1)「無視」の方法をしばらく続けるつもりですが、合わせて「首根津っこ掴み」や「あお向け押さえ込み」も織り交ぜてよいのでしょうか?それとも興奮させないために「無視」するだけにとどめるべきでしょうか?                          

(中嶋)無視はしない方がよいでしょう。イケナイことはやらせない方針でやって下さい。                     

 

2)どっちみち「押さえ込み」のような体罰準拠の方法を織り交ぜるなら、いっそのこと心を鬼にして1mふっ飛ばした方が効果的なのでしょうか?                                                         

(中嶋)1mふっ飛ばすぐらいなら、飼わない方がよいでしょう。                                

3)興奮しやすい性格の犬のような気がしますが、いくら興奮したからといって飼い主に本気で反抗するような態度は成長と共に解消されるものなのでしょうか?                                                   

(中嶋)ハイジちゃんを人間年齢にしたら3歳です。幼児を大人のように評価するのは無茶じゃないでしょうか。ワンちゃんは群れ動物ですから、***さんが一家の主としてリーダーであることを示せば、当然のように従いおとなしくなります。これが成立しないと、アルファー・シンドローム権勢症候群となってしまいます。                                     

4)共稼ぎで、日中放っておかれるストレスも噛みぐせの原因の一つになっていそうですが、仕事をやめるわけにもいかず、日中の不満をうめる何か良い方法はないものでしょうか?                                         

(中嶋)日中放っておかれるストレスは、そのうち無くなります。その生活に慣れるからです。遊んで貰える時が来るのを楽しみに待ち、日中は殆ど寝ています。                                                 

5)その他、噛みぐせを直す別の方法論があれば教えていただきたく、さらに全般的に今後注意すべき点についてもご教示賜りたく存じます。                                                           

(中嶋)噛むのは遊びです。他の遊びが増えれば、噛みはなくなります。ゴルフボールか小さなフリスビー(直径10センチぐらいのフリスビー・マーカー)で、持来の練習が廊下で遊ぶ時にも出来ます。渡す貰うから始めるのでよいのです。              

(中嶋)躾はワンちゃんも人間の子どもも変わりません。好ましいことを行ったら褒め、好ましくないことはヤラセナイようにすることです。                                                           

 

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Subject: ワラどころか命綱を掴んだ***から深謝 Date: Wed, 18 Aug 1999 12:16:41 -0000 From: "K****K*******" <B****654@****.ne.jp> To: "たろはなファミリー" <oak-wood@ba2.so-net.ne.jp>                          

 

 我がゴールデン・ハイジは拙宅にやってきた時より「***家の4人目の子供」と口では言っていたものの、人間の子供とは勝手が違うためアタフタし過ぎたと反省しております。我が子に対するような深い愛情をこめたしかし、厳しいしつけを根気よく続けなければ・・・と、先生のアドバイスをかみしめております。帰宅してハイジと遊んだところ彼女の態度に微妙な変化を感じました。ケージから出した瞬間いつものように尾をふって飛びついてきて小生の手を噛んでくるところまでは同じ。でも噛む力が弱いのです。だんだんと力を込めて引っ張りはじめたところで小生が立ち上がり後を向いたところで「おひらき」。ハイジは古スリッパを噛みはじめます。その後再び小生の手を噛みに戻ってはきますが少しじゃれついただけで自ら離れて行ったりもします。長女の衣服や次男の足に噛みついた時抱き上げて引き離す時の当方の力もいままでより弱くて済むような気がします。上記の様な状況は今朝の出勤前も同じでした。                 

 その後、先生のご回答Mailを拝見したのです。「徐々に躾の成果が上がっているのかな」と感じていたところへの先生のご教示。どれもこれも納得いたしました。特に世のマニュアル本の類には「ストレスが噛みぐせの要因」とのみ記述するものが多い中、「日中放っておかれるストレスは環境に順応することで解消される」旨の先生のご教示には「目からウロコ」の思いです。迷いがふっきれ、勇気すらわいてきました。これもひとえに先生のご教示の賜です。重ねてお礼申し上げます。今後またご相談を持ちかけてしまうことがあるかもしれませんがそれは極力控え、先生さえお邪魔でなければハイジの経過報告なぞをMailさせていただこうかなと思っております。         

 

Subject: またまた***です Date: Thu, 19 Aug 1999 11:49:06 -0000 From: "K**** K*******" <B****654@*****.ne.jp> To: "たろはなファミリー" <oak-wood@ba2.so-net.ne.jp>                                      

 

 せっかく写真を掲載していただけるのなら、中島先生に貴重なご教示をいただいた感激を他の方々にもぜひ聞いて欲しいと思い、以下、勝手に書かせていただきました。                                               

 

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 ***市に住む*****と申します。今夏、生後1・5か月の牝のゴールデンレトリーバーを自宅で飼い始めました。名前は「ハイジ」です。このハイジの噛みグセを抑止しようと市販のハウツウ本の類を参考に奮闘しましたがうまくいきません。「無視しろ」「1mくらいふっ飛ばせ」と諸説ふんぷんで迷いと焦りは増すばかりです。そんな時、HP「太郎華家族」に出会いワラにもすがる思いで中島柏樹先生に相談のメールを送ったのです。それは、ワラどころか太い命綱でした。メールを送らせていただいたその日のうちに返事を頂戴しました。   

 

 そこでご教示いただいたことは「目からウロコ」のことばかりでした。言われてみれば当たり前のことばかりかもしれませんがこれほど納得のいく回答はありませんでした。例えば、ハウツウ本で言うような「子犬が手を噛んできた時、無視してしまう」という方法は、確かに体罰のような副作用はもたらしません。しかし無視された子犬は手以外の噛みつき対象を求めに行くだけで「噛むことは悪いこと」と学習しないんですね、きっと。中島先生に教えていただいて心にしみたのは「人間の子育ても子犬育ても基本は同じ」ということです。私には高2の長男を頭に3人の子供がいますが、彼らが悪さをした時、叱りますが無視はしません。きちんと導きたいから。           

 

 そう思ってあらためて「太郎華家族」を拝見すると、「ピーペット」という考え方に基づく中島先生のさまざまな記述がいちいち心にしみてくるのです。自分でも信じられないのですが中島先生にアドバイスいただいた翌日我がハイジは長足の進歩を遂げていました。時には反抗して歯をむき出して噛みついてきたハイジが言葉だけの制止を一瞬聞き入れるのです。もちろん、すぐまた噛んではきますが、甘え噛みの範囲でとどめさせて他の遊びへの転換も可能となったのです。中島先生に「秘策」を教えてもらったわけではありません。先生の教えで私自信がまず変わり先生に与えられた勇気が私の気迫となってハイジに通じたのだと勝手に思っています。大げさだと思われますか。でも、中島先生流に言えば子犬のトレーニングは人間のトレーニングでもあり、ハイジが私を高めてくれているのだと今の私は本気で思っているのです。                                                          

 

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ということでございます。先生に最初にご相談させていただいた時はこんな経過報告をできるとはゆめ思いませんでした。本当にありがとうございます。そして、これからも何卒宜しくお願い申し上げます。                               

 

 

 

Subject: ***ハイジです。 Date: Thu, 19 Aug 1999 11:49:06 -0000 From: "K**** K*******" <B****654@*****.ne.jp> To: "たろはなファミリー" <oak-wood@ba2.so-net.ne.jp>                                      

 

 せっかく写真を掲載していただけるのなら、ハク爺に貴重なご教示をいただいた感激を他の方々にもぜひ聞いて欲しいと思い、以下、勝手に書かせていただきました。                                                

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 ***市に住む*****と申します。今夏、生後1・5か月の牝のゴールデンレトリーバーを自宅で飼い始めました。名前は「ハイジ」です。このハイジの噛みグセを抑止しようと市販のハウツウ本の類を参考に奮闘しましたがうまくいきません。「無視しろ」「1mくらいふっ飛ばせ」と諸説ふんぷんで迷いと焦りは増すばかりです。そんな時、HP「太郎華家族」に出会いワラにもすがる思いでハク爺に相談のメールを送ったのです。それは、ワラどころか太い命綱でした。メールを送らせていただいたその日のうちに返事を頂戴しました。        

 そこでご教示いただいたことは「目からウロコ」のことばかりでした。言われてみれば当たり前のことばかりかもしれませんがこれほど納得のいく回答はありませんでした。例えば、ハウツウ本で言うような「子犬が手を噛んできた時、無視してしまう」という方法は、確かに体罰のような副作用はもたらしません。しかし無視された子犬は手以外の噛みつき対象を求めに行くだけで「噛むことは悪いこと」と学習しないんですね、きっと。ハク爺に教えていただいて心にしみたのは「人間の子育ても子犬育ても基本は同じ」ということです。私には高2の長男を頭に3人の子供がいますが、彼らが悪さをした時、叱りますが無視はしません。きちんと導きたいから。            

 そう思ってあらためて「太郎華家族」を拝見すると、「ピーペット」という考え方に基づくハク爺のさまざまな記述がいちいち心にしみてくるのです。自分でも信じられないのですがハク爺にアドバイスいただいた翌日我がハイジは長足の進歩を遂げていました。時には反抗して歯をむき出して噛みついてきたハイジが言葉だけの制止を一瞬聞き入れるのです。もちろん、すぐまた噛んではきますが、甘え噛みの範囲でとどめさせて他の遊びへの転換も可能となったのです。ハク爺に「秘策」を教えてもらったわけではありません。ハク爺の教えで私自信がまず変わりハク爺に与えられた勇気が私の気迫となってハイジに通じたのだと勝手に思っています。大げさだと思われますか。でも、中島先生流に言えば子犬のトレーニングは人間のトレーニングでもあり、ハイジが私を高めてくれているのだと今の私は本気で思っているのです。                                                           

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ということでございます。ハク爺に最初にご相談させていただいた時はこんな経過報告をできるとはゆめ思いませんでした。本当にありがとうございます。そして、これからも何卒宜しくお願い申し上げます。                              

 

 

「相談2」 10カ月になるラブラドールの睾丸が、まだ一つしか降りていません。成犬になってからも降りていないようだったら、癌予防のために手術を受けた方が良いといわれています。発癌率は、手術を受けた場合と受けない場合に、どれくらいの差がでるかを知りたいのです。                                                           

 インターネットで獣医さんと人間のお医者さんにご意見をお聞きしました。相談を受けてくれるホームページ約50余ヵ所にお尋ねしましたが、応じて下さったところはごくわずかでした。応じて下さらなかった理由で一番多かったのは、教科書的回答は別のサイトを検索して得るようにとのご教示でした。あるいは、専門外であるから回答出来ないというものでした。素人への回答は意外に難しいと感じるのかも知れません。                                                       

 

Subject: RE: Re:お教え下さい。 Date: Wed, 10 Jun 1998 09:37:47 +0900From: "S**** K***" <a***h@mxt.****net.or.jp>To: "中嶋 柏樹" <oak-wood@ba2.so-net.or.jp>                                         

 

中嶋 柏樹 様、メールありがとうございました。                                          ご質問の件: 10カ月になるラブラドールの睾丸が、まだ一つしか降りていません。成犬になってからも降りていないようだったら、癌予防のために手術を受けた方が良いといわれています。発癌率は、手術を受けた場合と受けな い場合に、どれくらいの差がでるかを知りたいのです。またやはり、出産経験のない中年犬は、癌予防のために子宮の摘出手術を受けたほうが良いといわれています。これも、どれくらいの差がでるのか知りたいのでず。データも判れば知りたいのです。                              

 4ヶ月を過ぎて睾丸の下降していない場合は、これから先で睾丸が下降する事はありません。4ヶ月以内であればホルモン治療で睾丸を下降させる事ができるという報告もあります。また、腹腔内に遺残した睾丸は正常なそれに比べて腫瘍化する危険性は13.6倍高いとされています。雌犬の卵巣・子宮摘出手術には3つの目的があります。まず言うまでもなく望まない妊娠を防ぐためです。次に中年以降の未経産犬の発情後に頻発する「子宮蓄膿症」の予防、最後に同じく老齢犬にみられる「乳腺腫瘍」の予防の3つになります。経産犬と未経産犬での「子宮蓄膿症」の発生率のデータは持ち合わせがありませんが、卵巣・子宮摘出手術を受けた犬とそうでない犬の間には「乳腺腫瘍」の発生率に7倍の差があります。                                               

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S**** K***(**動物病院) e-mail: a***h@mxt.****net.or.jp

  

Subject: Re:中嶋@ご面倒をお掛けしていま。Date: Thu, 18 Jun 1998 16:23:38 +0900From: "S**** K***" <a***h@mxt.****net.or.jp> To: "中嶋 柏樹" <oak-wood@ba2.so- net.or.jp> 中嶋 柏樹 さん、メールありがとうございました。         

 返事が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。                                             わたしたち飼い主は獣医さんからインフォームド・コンセントを受け ても、判断できないので勧めに従ってしまっています。      

 確かに難しい問題ですね。私たちでさえ、自分が病気になると、どうすればよいのかを冷静に判断する事ができなくなりますから。ただ1つ言える事は動物病院の方か「こうするぞ」と一方的に治療方針を決めてしまう病院はよくありません。例えば「今のままだとこういう危険性があるけれども、予防的に手術をする事ができる。このままだと最悪こういう事も考えられるが、今までの経験ではこういう犬が多いようだ。」とあくまで飼い主さんの立場に立って、じっくりと考える時間を与えてくれる病院でなければだめでしょう。       

 停留睾丸の犬の下降しなかった睾丸に腫瘍が発生する危険性は、 正常な睾丸のそれより13.6倍高い(hayes and pendergrass.1976)とのことですが、その13.6倍という数字がどの程度のものなのか(cf喫煙者の発癌率)知りたいのです。             

 停留睾丸の犬に関して言えば、もちろん停留睾丸の全てが腫瘍化する訳ではありませんが、万が一腫瘍化した場合は非常に重篤な症状が出る事が多いです。当方も腫瘍化した停留睾丸を何百例も見てきたわけではありませんから、自分自身の経験からしか述べられませんが、お腹の中でハンドボール位に大きくなってしまった腫瘍や、女性ホルモンを分泌する(睾丸なのに? と思われるでしょうが結構多いものなのです)腫瘍になったりしたりと、こうなるとほとんど命に関わる症状となり得ます。 実際には「何%の確率で...」という説明は何の説得性も持たないと思っています。何%以上なら手術、何%未満なら様子見、と割り切れる人はそう多くはないでしょうし、この確率は単なる過去のデータを集計したに過ぎないのです。こうなると獣医師サイドからは「手術した方がいいでしょう」とまでは言えるけれども「手術しましょう」もしくは「手術しなければなりません」とまでは言えません。これから先は、やはり飼い主さんの判断によらなければなりません。                                                       

 ダラダラと書き連ねて、結局は中嶋さんがお知りになりたい事を1つも呈示できていない事がお解りかと存じます。しかし、これはそういうものなのです。「命あるもの」の行く末を見つめて行かなければならない私達にとって、簡単には到底解決する事のできない、避けては通れないハードルの様なものなのです。そしてその運命を左右するのは他ならぬ私達人間なのです。                主治医の獣医師の先生と中嶋さんのより良い信頼関係によって、その答えが見つかる事をお祈りしております。         

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S**** K*** e-mail: a***h@mxt.****net.or.jp

(**動物病院) URL: http://www2h.******.ne.jp/~ai-ah/

 

 

 

Subject: 癌予防としての手術 Date: Fri, 12 Jun 1998 09:36:33 +0900 (JST) From: "** *" <t******a@n**h.a***c.go.jp> References: 1 , 2 , 3 , 4 To: "中嶋 柏樹" <oak-wood@ba2.so-net.or.jp>                          

 

中嶋 柏樹 様                                                     

 10カ月になるラブラドールの睾丸が、まだ一つしか降りていません。  成犬になってからも降りていないようだったら、癌予防のために手術を 受けた方が良いといわれています。 発癌率は、手術を受けた場合と受けない場合に、どれくらいの差がでるかを知りたいのです。                                                            

モーガンの小動物臨床ハンドブックに次のような記載があります。 ”停留睾丸の犬の下降しなかった睾丸に腫瘍が発生する危険性は、正常な睾丸のそれより13.6倍高い(hayes and pendergrass.1976) 開腹去勢体験記として                   http://www.geocities.com/Heartland/Park/4661/ 御犬様のページ、MOUのスピッツの手術例があります。         

 

またやはり、出産経験のない中年犬は、癌予防のために子宮の摘出手術を受けたほうが良いといわれています。これも、どれくらいの差がでるのか知りたいのでず。データも判れば知りたいのです。                                   

"卵巣子宮摘出術 乳腺腫瘍の発生率が下がる a)発情前に実施  発生率0.5% b)2回目の発情前に実施 発生率8%     ”乳腺腫瘍  卵巣子宮摘出術を受けていない犬と猫は乳腺腫瘍発生の危険率が7倍高い。(Dorn et al 1968)2.5歳を越えると防御効果はないという考えが圧倒的でしたが最近次の論文がでています。                         Effect of spaying and timing of spaying on survival in dogs with malignant mammary epithelial tumors. Karin Sorenmo et al University of Pennsylvania. Annual conference, American College of veterinary cancer society December 3-6, 1997 pp-93                                                            

 内容は乳腺腺癌の犬を外科手術後に同時あるいは2年以内および2年以降に卵巣子宮切除術を施した場合と全くほどこそさなかった場合とを比較し、乳腺腫瘍切除手術後できるだけ早期に避妊手術を実施したほうが生存期間が延長するという結論が得られたということです。これは癌になってしまってからの話しで、私の考えでは癌予防のためにはあえて未経産で中年になってから卵巣子宮手術をする必要はないのではないかと思います。                                                  

 

 

 

 Subject: RE: お教え下さい。 Date: Sat, 13 Jun 1998 00:52:56 +0900 From: "S**** K***" <a***h@mxt.****net.or.jp>To: "中嶋 柏樹" <oak-wood@ba2.so-net.or.jp>                                       

 

中嶋 柏樹 さん、メールありがとうございました。 同様の症状の人間の場合も、同じ程度と考えてよいのでしょうか。あるいは、イヌの場合が高率ということなのでしょうか。 妙な質問で申し訳ありません。                              

 

ホルモン的な機序なら似たような事が言えるのかも知れませんが、私の方からは、詳しくは何とも申し上げられません。         

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S**** K***(**動物病院) e-mail: a***h@mxt.****net.or.jp

 

 

 

Subject: Re: お教え下さい。 Date: Fri, 12 Jun 1998 19:09:45 +0900 From: y*****u@a***i.email.ne.jp (K****a Y*****u ) To: "中嶋 柏樹" <oak-wood@ba2.so-net.or.jp>                                       

 中嶋 柏樹 様。mailを頂きました。 成人男子で睾丸が一つしか降りていない場合の発癌率と手術の是非について。 また、中年女子で未経産婦の子宮膿瘍・発癌率と手術の是非について お教え下さい。                                

 唐突な質問なので、返事に困っています。私は婦人科の不妊症が専門ですが、男性の睾丸腫瘍については全く専門外ですので、停留睾丸と発癌率については正確な知識を持っていません。泌尿器科医に相談されて下さい。子宮体癌は確かに未産婦婦人に多いのですが、また老年婦人の場合、子宮体癌に伴い、子宮留膿腫を発生することも多いのですが、正確な発生率については、ガンセンターか大学の子宮癌専門医に尋ねないと、正確な数値は知りません。もちろん子宮留膿腫があってもすべて癌とは限らず、検査結果で決定することだと思います。

 

 

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