[ 一味違う回答コーナー ]

 

多摩介助福祉犬協会報「車椅子生活者調査報告」より一部抜粋

 


介助福祉犬の利用案内

 

 かつて車椅子で生活する人を、街中で見かけることは殆どありませんでした。ごく たまに駅の階段で駅員さんや数人の乗降客が顔を赤くして、重い車椅子のお客さんを 持ち上げている光景を見かけることがありました。そしてまた通路で段差に遭遇し、 わずか10センチ程度に立ち往生している姿を見かけることもありました。しかし現 在は車椅子生活者の社会参加のために専用エレベーターや専用トイレなど環境整備が すすめられ、一見すると車椅子生活者が社会進出するための条件は整っているように 思えます。

 健常者とおなじ"普通の生活"を求める車椅子生活者は社会参加を当然のものとして 考えているでしょうし、彼らが社会進出するための環境整備が充分なされているので あれば、どこへ行っても車椅子生活者を見かけることは珍しく無くなっているはずで す。しかし、改めて車椅子生活者の視点で眺めてみますと、外出目的で家を一歩ならぬ 一走りしたところで外出の意欲を消沈させられてしまうほど、路肩の傾斜、歩道の段 差、電柱外路灯、ごみ箱、そしてところかまわず放置された自転車の群れに往く手を 阻まれてしまいます。

 社会へ進出するための環境整備が"点"であっても今後整備され 続けて行くのであれば、その"点"が一本の"線"になるまで待ちます。しかし介助者な しでの外出はそれまでお預けです。誰にも気兼ねなく何時でも独りで外出できるのが 、念願の"普通の生活"なのです。 "点"が一本の"線"となって生活環境の整備が完了した頃には、その一環として住環 境の整備も完了しているものと思います。ドアでなくて引き戸、凸凹のない床、そし て配慮された風呂、トイレ、調理台など全てが車椅子生活者に快適な生活を約束して くれるでしょう。そしてボランティアの協力が得られて、ほとんど不自由を感じるこ となく生活が出来るでしょう。

 しかし、その不自由無ない生活は、24時間可能とい うわけには行きません。ボランティアであっても家族であっても、他の人から協力が 得られる時間は生活の中の"点"であって、切れ目ない"線"を望むことは出来ません。  そこを期待できるのは人間以外の犬、盲導犬の例にならって「介助犬」ということ になります。うっかり落とした物を拾うのに電子技術を駆使した「介助ロボット」を 開発するよりは、介助犬を育成した方が比較にならないほど簡単です。目の不自由な 人が盲導犬をパートナーにして自由を得たように、車椅子生活者も介助犬をパートナ ーにして自由を得て欲しいと思います。

 

多摩介助福祉犬協会のご案内

 

 車椅子で生活する人たちにとって、落ちたものを拾うのはとても大変なことなので す。意外なことの様ですが、 カカトをつけない日とは一人でものを拾うことが出来ません。たとえ、身近に手助け してけくれる人がいても、 気軽に何時でも頼めるというわけには行きません。睡眠中の深夜とか、外出中などの 不在時などには、当然ながら頼めるようになるまで、何時まででも待たなければなり ません。  目の不自由な人が「盲導犬」を伴侶とするように、「介助福祉犬」をパートナーに しますと、不自由さを減少させて、生活を拡げることが出来ます。

 多摩介助福祉犬協会では、主にスポーツ・交通外傷などで中途障害者となった人た ちに「介助福祉犬」を無償で提供しています。飼育・訓練などにお手伝いして下さる 、ボランティアを募集しています。

 なお、協会の法人化にむけての寄付に応じています。

                             運営委員長 中嶋柏樹

  多摩介助福祉犬協会法人化基金は
 
「郵便振替00190−9−358058」です。



 

 

oak-wood@ba2.so-net.or.jp
www02.so-net.or.jp/~oak-wood/




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