介助犬の基礎的調査研究
介助犬の実態と身体障害者への応用に関する研究
厚生省障害保健福祉総合研究事業

介助犬の実態調査

And if you love them that love you,what thank have you?
for even sinners love those that love them.  luke6-32

 

介助犬の基礎的調査研究・介助犬育成組織実態調査     厚生研99−2
協力団体代表各位               平成11年5月20日

厚生科学研究−介助犬の基礎的調査研究における介助犬育成組織実態調査に
ご協力賜りまして、誠にありがとうございました。遅くなりましたが、介助犬
の実態調査報告書が出来上がりましたのでお送り致します。 調査開始後に、
さらに育成組織がいくつか発足したと聞き及んでおります関係上、継続が決定
しました99年度の実態調査で継続調査が必要と考えております。 調査研究
報告集は各県および政令指定都市の衛生課と福祉課、全国の大学医学部図書館
に寄贈しておりますので、機会がありましたらお目通し戴きますようお願い致
します。
                             

                 介助犬の基礎的調査研究班班長 高柳 哲也 

 

 

調査対象組織

 

1.多摩介助福祉犬協会 運営委員長 中嶋柏樹(回答者)

2.日本パートナードッグ協会 事務局長 粟屋雅明(粟屋雅明さんに聞き取り調 査)

3.いわて介助犬をそだてる会 武田佳子(武田佳子さんとトレーナーの新屋一巳さんに
  聞き取り調査)

4.サービスドッグ・ジャパン 朴木敏明(回答者)

5.ALF&MAX Dogs Home (サービスドッグ・ジャパンのトレーナーが運営する組織)
  白井里辺香さんと中山有美さん(両者が回答者)

6.日本介助犬トレーニングセンター 代表 足達利明 代表補佐 本岡修司(本岡修司
  さんに聞き取り調査)

7.介助犬協会 代表 能條正義(トレーナー矢澤和枝さんが回答者)

8.介助犬をそだてる会 代表 板根毅彦(板根ゆかりさんが回答者)

 

調査項目(9ページ)

調査結果(25ページ)

介助犬アンケート結果

番号[1]
介助犬育成組織名[多摩介助犬協会] 代表者名[運営委員長・中嶋柏樹]
郵便番号[183-0021] 住所[東京都府中市片町2−14−1]
電話[042-364-2778] ファックス[042-364-7835]
回答者氏名[中嶋柏樹]

1.育成組織について
設立年月日[1995.4.1]
設立趣意[障害者にラブラドール犬を提供する]
組織の特徴[(資料なし)/法人化されていない/府中市に登録(会員数約50名、実質的には約5名)/ラブラドールが好きで始めた/優秀血統作業犬を無償で提供する/英国から直輸入できる数少ない組織/

2.介助犬について
過去に育成した介助犬[2頭]
犬種[ラブラドールレトリーバー]
実動年数[1996年から現在]
使用者の年齢[26歳]
使用者の性別[女性]
基礎疾患名[脳炎後遺症]
障害名[下肢麻痺]
在住区域[愛媛県松山市]

犬種[ラブラドールレトリーバー]
実動年数[1996年から現在]
使用者の年齢[28歳]
使用者の性別[男性]
基礎疾患名[交通事故後遺症]
障害名[下肢麻痺]
在住区域[神奈川県愛甲郡]

現在訓練中の犬は何頭[0]
介助犬として対象にしている犬種[ラブラドール]
障害者自身が飼育している犬を対象にしているか?[希望があれば]

3.介助犬使用者について
障害の種類は肢体不自由のみですか?[いいえ、精神障害を含む全ての障害]
障害者の年齢に制限はありますか?[ない]
障害の種類、在住区域、環境、経済的背景などの条件[ケースバイケースである 必要とする社会資源が整備されていれば、それで十分である]

4.育成および処方体制
介助犬使用者選出から介助犬処方の流れ[障害者(またはその代理人)から、取得希望があればよい]
医療の連携体制について
介助犬希望者の基礎疾患および障害に関する情報[障害者本人またはその代理人から]
介助犬の譲渡条件について[譲渡]
障害者の負担額およびその内容[無償]
現在のトレーナーの数[0]
訓練を他機関に委託したことがありますか[いいえ]

5.犬の適性評価方法について
行動学的適性評価について[従順が第一条件だが、他は使用者の好みによる]

6.介助犬の認定および訓練について
貴会の介助犬としての認定基準[利用者が満足できること]
訓練の流れ 各訓練開始の年齢と期間、訓練所か家庭か[お勧めとしては、主として利用者が幼犬から飼育し訓練する 不十分な所は家族等が補う]
交通機関等における訓練を行う際、困ったことは[ある 利用させてもらえないこと]

7.介助犬使用者の社会参加状況について
貴会が訓練された介助犬の使用者は積極的に社会参加しているか[どちらとも言えない]
介助犬使用者から介助犬と共に外出する上で問題があったことを聞いているか[いいえ]
貴会は介助犬使用者に介助犬を伴った社会参加に対してどのような教育を行っているか[求められればしないことはないが、押し付けはしない]

8.育成および組織運営における問題点について
育成および組織運営にかかる予算に公的補助を受けていますか[いいえ]

9.介助犬に関して行政機関ならびに社会に対しての要望
[社会福祉法人となれるよう指導し、専従者を確保できるように助成金が必要]

10.育成や訓練ならびに譲渡や組織運営に関して問題等があれば
[日本の障害者は権利を主張しない 諦めている 総合的に社会資本・資源を整備して、
バリアフリーとノーマリティを達成しなければ、希望をもつだけ空しい]

11.その他
[中途障害者が特に介助犬を必要としている 利用者のニーズに合わせる(障害者がペットとして飼うことも可)盲導犬と異なり、障害者にはいろいろな人がいる 犬の世話が大変(障害者の周りにボランティアが必要)

 

 

番号[2]
介助犬育成組織名[日本パートナードッグ協会] 代表者名[事務局長・粟屋雅明]
郵便番号[166-0003] 住所[東京都杉並区高円寺南3-59-17-402]
電話[03-3313-8684] ファックス[03-3313-8596]
回答者氏名[粟屋雅明]

1.育成組織について
設立年月日[1990.9(パートナードッグを育てる会)]
組織の特徴[(資料あり)/役員会(8名)/一頭でも多くの介助犬を出す/介助犬のアッピール/

2.介助犬について
犬種[ラブラドールレトリーバー(ブルース)]

犬種[ラブラドールレトリーバー(グレーデル)]

現在訓練中の犬は何頭[0(新聞には7頭とあったが)]
介助犬として対象にしている犬種[ラブラドール(決めていない)]

3.介助犬使用者について
障害の種類、在住区域、環境、経済的背景などの条件[具体的事例なし]

4.育成および処方体制
介助犬使用者選出から介助犬処方の流れ[検討中]
医療の連携体制について
介助犬希望者の基礎疾患および障害に関する情報[検討中]
介助犬の譲渡条件について[未定]
トレーナーまたは訓練委託先について 現在のトレーナーの数[(警察犬、家庭犬などトレーナーのプロにボランティアとして依頼)山形在住のトレーナーなど(自分でやりたいと申し出るトレーナーはいる)]

5.犬の適性評価方法について
行動学的適性評価について[トレーナーなどいろいろな人と話し合い、今後必要に応じて検討する]

6.介助犬の認定および訓練について
貴会の介助犬としての認定基準[未定 認定の基準は障害者のニーズに合わせる]
訓練の流れ 各訓練開始の年齢と期間、訓練所か家庭か[検討中]

9.介助犬に関して行政機関ならびに社会に対しての要望
[公的認定の必要性 現実に介助犬が少ないのが問題]

11.その他
[犬を育てるのが先(育成に1年ぐらいかかる)交通機関など将来的に盲導犬と同じ扱いを受けるべきである/認定を受けた団体によって育成すべきである/トレーナーの資格認定が必要である/犬の能力テストが必要である] 

 

番号[3]
介助犬育成組織名[いわて介助犬を育てる会] 代表者名[武田佳子]
郵便番号[020-0874] 住所[盛岡市南大通2-1-2]
電話[019-653-0667]
回答者氏名[武田佳子と新屋一巳]

1.育成組織について
設立年月日[1997.7]
組織の特徴[(資料なし)武田佳子さんが一人で運営している会(組織)

2.介助犬について
過去に育成した介助犬[ナナ(♀、2歳)]
犬種[ラブラドールレトリーバー(ナナ)]
実動年数[愛玩犬として約2年]
使用者の年齢[15歳]
使用者の性別[男性]
基礎疾患名[脳性マヒ]
在住区域[盛岡市(犬の面倒をみること、僕がいなくてはとの気持ち]

現在訓練中の犬は何頭[0]

4.育成および処方体制
トレーナーまたは訓練委託先についてと現在のトレーナーの数[1名(地元の訓練士、ドックファーム SHINYA)(警察犬、救助犬、家庭犬のプロ)]

7.介助犬使用者の社会参加状況について
介助犬使用者から介助犬と共に外出する上で問題があったことを聞いているか[県庁、市役所(盛岡)、デパート、レストラン(ともに盛岡市内)にナナを同伴しても問題なく受け入れられた]

11.その他
[いろいろな介助犬を育てるのではなく、障害者の需要に応じて供給する楽しく働く介助犬(例えば、アメリカ・スーザンダンカンさんの介助犬のように、双方が楽しいことが最も重要)介助犬にランク付け必要(1種、2種、3種など)3種しか認めないのではダメ(困る)3種を作るには3年、1種であれば半年]

番号[4]
介助犬育成組織名[サービスドッグ・ジャパン] 代表者名[朴木敏明]
郵便番号[444-0842] 住所[愛知県岡崎市戸崎元町13−7]
電話[0564-52-9126] ファックス[0564-52-9126]
回答者氏名[朴木敏明]

1.育成組織について
設立年月日[1997.3]
組織の特徴[(資料あり)]

2.介助犬について
過去に育成した介助犬[なし]★
現在訓練中の犬は何頭[0]
介助犬として対象にしている犬種[犬種を問わず(介助犬としての適性、レシピエントとの相性)]
障害者自身が飼育している犬を対象にしているか?[上記の基準]

3.介助犬使用者について
障害の種類は肢体不自由のみですか?[はい]
障害者の年齢に制限はありますか?[ない]
障害の種類、在住区域、環境、経済的背景などの条件[人と犬との信頼関係を最優先する/家族の一員として終生共に暮らせる方を対象/人と犬との絆を深める互いの努力の過程から育まれる愛と感動それ自体が何ものにも代えがたい尊い心の支えとなり、生きる勇気を得る原動力となる。従って、犬の幸せを考え、家庭環境も、物理的、経済的、そして精神面の三位一体から検討する。]

4.育成および処方体制( 以下は工事中 )

6.介助犬の認定および訓練について

7.介助犬使用者の社会参加状況について

8.育成および組織運営における問題点について

9.介助犬に関して行政機関ならびに社会に対しての要望

10.育成や訓練ならびに譲渡や組織運営に関して問題等があれば

11.その他

自分を愛してくれる者を愛したからとて、どれほどの手柄になろうか。
つみびとでさえ、自分を愛してくれる者を愛している。ルカ6−32
 

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