ゴルフ場の崖下には小川が流れています。多摩川の支流の大栗川の支流と言えば言えなく無いのですが、ほんの崖下だけで、また大栗川に合流してしまうので、わずか200mのギネスに載るような小川です。世界最短の小川として認めてもらうためには、名前がなければならないでしょうからと「エイボン川」と名づけました。シェイクスピアで知られるストラスフォードにあるエイボン川は大河ですが、ニュージーランド南島のクライストチャーチにあるエイボン川は、人が乗ったボートが行き来できるのが不思議に思えるほど小さな川です。これに自信をもって、ためらうことなく名づけたのです。

  

   

 

 炎天下は蒸しぶろのようですが、木陰は吹き出ていた汗がさっと引っ込むような涼しさです。しばらくは消息不明になってしまうほど遊び惚けていても、遊び疲れて休憩する時は、場所を決めてあるかのように同じ処に集合します。風の流れで涼しい場所は決まっているのでしょう。 若くないグループの暑さはそれだけでは治まらないようで、しばらく水中に身を沈めます。流れに腹を向けて効率良く冷やしていますが、路天風呂に入って鼻歌機嫌のオッサンのようです。 

  

   

 

 このエイボン川には3本の小滝が落ち込んでいます。崖の上はゴルフ場ですから、美しい流れでも複雑な心境になります。ゴルフ場が芝生の養生に肥料と農薬を大量に使っていることは良く知られています。それが滝の流れと共にエンボン川へ流れ込んでいるのですから、美しい水面の下にはあの「環境ホルモン」がしっかりと蓄積しているのでしょう。近くの幾つかの大学の共同研究グループの調査結果によると、多摩川の野鯉が牝化しているとのことです。わが家のワンたちもこの数年子どもが産まれていません。6匹の牝たちには年2回のシーズンは来ています。3匹の牡たちがだらしないのでしょう。

 

 

 


次ページへ行く

たより表紙へ戻る