高橋チャンプは性能・容姿ともに優れた黒ラブですから、ハク爺は勝手にサニーのお婿さんと決めてその時になったら「お泊まり」に連れて行けばよいと思っていました。しかし、今回の様子から別居夫婦では可哀想なので、一緒に暮らせる夫を探してあげなければならないと思うようになりました。タロハナはご承知のように呆れるほどの仲良しカップルなので、なおさらのことのように思います。ところが交配日が近づくと、タロウがソワソワし始めたのです。嗅ぎ、舐め、マウンティングしようとするのです。そしてサニーもお尻をむけ、尾を曲げ協力的なのです。困ったことになるかと心配し、海老沢ナンシー宅に交配期中はお泊まりしててもらおうかとも思いました。

 しかしハク爺の説では「マウンティング」は性行動ではなく、交尾に素直に応じるよう「屈伏させる」ための社会行動ですから、タロウの下位になり従属することを嫌うサニーは応じるようでも応じないと思えます。ハート目をしたタロウに執拗に追い回されて観念し、マウンティングを許したかのように見えますが、ついにやったかとニンマリタロウは気を許し交尾に移ろうかとした瞬間にサニーはスルリと逃げてしまいます。たぶんサニーは性交渉には応じるつもりがあっても、社会的下位に甘んじることには耐えられないのでしょう。二重の意味を持つマウンティングではない別の方法に気がつけば成功するのでしょうが、この繰り返しに苛立つタロウは気の毒で、つい同情してしまいます。この状況のように、交尾させるつもりが「無い」のに一緒にしておいて妊娠したら、交配させるつもりが「有った」ということになってしまいます。これを「未必の故意」といい犯罪ならば有罪となります。

 

 

 

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