安易は安逸に非ず

 

 

 カーナビは不要な玩具と思っていましたが、勧められて使ってみてその便利さには感動します。高速道路では気軽にUターンが出来ないことから、道路標識の確認に神経を使います。しかし、カーナビがあれば高速道路も怖くありません。その標識を見ずに高速道路に入ってしまったように、安易な判断をしたことから胃ガン患者であると思い込んでしまうような出来事がありました。

 40才を過ぎると成人病(生活習慣病)検診を受けるようになりますが、それが老人保健法によると知らされ少なからずショックを受けたのは私だけでは無いと思います。定期的に検診を受けるのは念の為であって、しょせん集団検診だからと結果は気にしません。結果はオールAですべて異常なしが当然と思っていますから、異常を知らされたとしても集団検診だからと信用しません。

 今回 の検診結果で「胃部不正」とあり、説明では胃壁に"びらん"が認められるから「要精密検査」ということでした。今まででしたら一笑に付して放置するところでしょうが、ガン年齢になったこともあり病院で精密検査を受けることにしました。しかし検診医は自覚症状が無いことから、紹介状は書いて下さいましたが、様子を見てみたらと受診に消極的でした。好奇心から自分の"びらん"を見てみたいと思う気持ちが主動機だったのですが内科外来を受診したところから事態が一変しました。

 いきなり内視鏡検査の日時を決めることになり、勧められた日時を都合で1週先に延ばしたいと希望しますと、「医者は最善を薦めるが、決めるのは患者だ」と言い、さらに「こういうことは早い方が良い」と語気を強くして言います。一刻も早くと気迫ある勧めに、ガンを想定してのものと確信してしまいました。ゴムホースを飲み込むような内視鏡検査は、ノドをしびれさせるので難なく終了しました。検査医はモニターを覗き込みながら「悪性を疑わせるものは見当たらない」と言い、胃部不正と診断された"びらん"箇所は、松坂牛の霜降りのようになっているが「一過性」のもののようだから心配ないと言います。

 内科の外来で検査の結果を改めて聞く必要は無いかとも思いましたが、約束は軽視してはならないという気持ちから受診しました。ところが予想に反して担当医は渋い顔で「再検査」を勧めます。生検を要する部分がモニターに写らなかったが写真には写っている、生検をして悪性でないことを確かめた方がよいと言います。一難去ってまた一難の思いでしたが、素直に従って再検査を受けました。

 再検査で生検した結果は単なる"びらん"であって、霜降り肉は悪性腫瘍ではないことが判明しました。念の為にと半年後の再検査を勧められその気になっています。精密検査を受ける前に様子を見るようにと言われてから、精密検査後にまた様子を見るようにと言われましたが、その間が不測の対応に振り回され大変でした。  

 日々の生活の出来事に気軽に応じていても何んとかなって来ましたが、今回はその気軽さが"胃ガン騒動"にまで発展させてしまいました。騒動に振り回されて人生観まで変わってしまいました。安易は安逸に非ずと思い知らされてしまいました。

 

 

 

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