どうする今どきの若者

ー社会奉仕服務制度創設の提案ー
      

      

 万能細胞騒動で話題の研究員は、ある意味で野口英世や森鴎外に似ています。ウイルスを光学顕微鏡で検出しようとしたり、脚気の病原菌を発見しようとしたところなどからです。鴎外は別にしても、何が何でも一念で岩をも通さん主義は傍迷惑です。

 それを指導しない指導者も問題ですが、大量生産による質の低下が問題です。博士号を取得しても就職できないオーバードクターは気の毒ですが、就職できないオーバードクターに博士号を授与した大学にこそ問題があります。

 今どきの若者たちも気の毒で、社会のシステムが崩壊したための犠牲者のように思います。あの司馬遼太郎が嘆いたように、主義主張があってもその場の空気に従ってしまい、責任ある立場にいる者までもが責任を取らない体質が根源なのでしょう。先の戦争も原発事故も然りで、無責任な悪しき放任主義の結果がニートな若者の増加だろうと思います。

 ドイツの兵役制度では良心的兵役拒否を認めており、徴兵されてもその8割強が社会奉仕に携わっているとのことです。我が国も20才前後の若者たちに社会奉仕を経験させる制度を創設する必要を強く感じます。

 ニートな若者の就労と社会参加を促進する具体的な方策として、社会奉仕制度に基づいて介護や災害の復旧などに携わって貰います。そして、それぞれの奉仕現場において未経験や能力不足で十分な役割を果たせないと判断された場合には、職能訓練を受けて必要な能力を獲得して貰います。

 その職能訓練は精神医学における社会療法に想を得た治療的訓練方法です。社会療法はオランダやイギリスの更正保護施設で開発され、我が国にも導入された無理なく成果を得る治療法です。治療的に訓練を施すという考えが画期的なのです。

 ニートな若者が生活保護費を受給して慎ましい暮らしを続けている間に、海外からの技術労働者たちでいわゆる3k仕事の需要が賄われてしまいます。さらに看護や介護から家事手伝いまでも外国人労働者たちで賄われようとしています。永住権を得たり日本に帰化したりして、少子高齢化で不足した若年人口を補ってしまうことになりそうです。日本人のほぼ単一民族国家では無くなりますが、若い活力にあふれた多人種多民族国家になります。

 アメリカなど白人国家がそうでは無くなったように、世界の国々が多人種多民族国家になるのは自然の流れかも知れません。もっとも深刻な少子化をみごと回復させたフランスなどの例を見習えば、少子化は不回避では無く出生率の回復は充分可能な問題のようにも思いますが。

 

 

 

 

 

oak-wood@lovelylab.net

http://www.lovelylab.net

 


もどる