「気功健康法」について

         

 保健婦さんのAさんは15年前に乳癌の手術をうけて、その3年後に鎖骨への転移が分かり、また手術をうけました。現在は保健婦業務のかたわら「乳癌患者の会」の会長さんをやっています。保健婦という専門職であるから重宝がられる面もあるでしょうけれど、それ以上に二度の手術をうけたのち、10年以上も健康を維持して再発を防いでいる実績が賞賛と尊敬になっているように思います。仕事柄かとても面倒みがよくて世話好きなのも、慕われる原因となっているのでしょう。そのAさんが、「気功の会」を催したいといい、講師を引き受けてくれる先生の目処はたっているし受講希望者もいるが、会場となる部屋の確保がままならないといいます。

 癌の再発予防としての「気功法」は関係者のあいだでは常識になっているようですが、数ある健康法のなかで、おまじないや気休めのようなものを除いた、科学的で確たる理論的な裏付けを備えた技法として、心理学的にも最も有効な健康法であると評価できると以前から考えていましたから、Aさんの提案を全面的に支援することにしました。講師の高思華(ガオ・シファ)先生は中国中医研究院の副教授で医学博士です。国立がんセンターでの研修を日中友好協会のプログラムで来日しているとのことで「気功の会」の講師も無償で引き受けてくれているそうです。東洋医学は気功にとどまらず漢方薬や鍼灸にも詳しく「医食同源」ということなのか料理も得意なようです。ご自分の結婚披露宴でも手作り料理をふるまったとのことで、「薬膳」料理の教えて下さいます。

 癌を経験すると、たとえ完治したといわれても、再発の不安は付きまといます。主要なメンバーである「乳癌患者の会」の方たちが熱心なのは当然ながら「再発予防」でしょうけれど、同時に薬物の副作用であるとか手術の後遺症からくる心身の「不調改善」という目的も含まれているように思われます。慢性の精神病も、完治したものなのか薬物で抑えられたものなのか分からないままに、漫然と「維持薬」を飲み続けなければならないといわれています。再発の不安はやはり付きまといますので、服薬を終了したと言い出せずにいます。その結果、極端な場合には腸管麻痺など消化器系に重篤なトラブルが発生するという弊害が起こっています。こういった問題を解決するためにも「気功法」が有効なように思います。しかし数年来続けてきた治療をいきなり中止してしまうのは好ましいとは思えませんので、現在服薬しているものを徐々に漢方薬に代えていく方法をすすめております。

 40才をすぎると成人病検査を受けさせられますが、老人保健法に基づいてのものであることを知って驚き、苦笑した方は少なくないように思います。 「更年期」も女性だけのものではなく、ただ口にだせないだけなのです。「過労死」や「突然死」は論外としても不養生で」成人病」をまねき、「成人病」になってから後悔するのでは余りにも損害が大きすぎます。平均寿命がのび平均寿命まで生きるとしても、心身の不調を抱えながら生きるのでは気の毒に思います。誰も「老い」を受け入れないわけにはいきませんが、出来るかぎり「健康」のための努力をして「すこやか」な生活を維持することをおすすめします。 

 

 

 

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