雌鶏が時を告げると草食男子
      

      

 かつてトイレの便座は立てておくようにと提言しましたが、意に反してトイレの便座を立てている家庭は着実に増えているようです。トイレの掃除は大変であるからと母親の指示に従がわされたのでしょうが、最近の男の子たちは自ら理に適うと考えて便座に座って小用を足しているようです。

 かつては住宅のトイレも大小に分れていましたが、経済成長に伴って公団住宅が作られる際に合理性の重視から兼用になってしまったのです。合理的で無いものは排除するという判断基準は、住宅から自家用車そして身の回りの諸々へとエスカレートしました。しかも判断して決定するのは一家の主婦である母親ですから、微に入り細に入り徹底的にやれてしまいます。

 草食系と呼ばれる男子たちは、心が優しく男らしさに縛られていません。恋愛に興味があっても傷ついたり傷つけたりしたく無いからと、ゲームやアニメのキャラクターと恋愛した気になっている方がよいと言います。身綺麗にして周囲に不快感を与えないようにし、思うところや好みなどにも自分を出さずに相手に合せます。

 このようなことは、父親不在の家庭で母親から男女平等と正々堂々を躾けられて育ち、受験や就活で勝ち残れないとひたすら素直で真面目であろうとする為でしょう。質素倹約に勤め、小遣いを老後の為に貯金することすらあります。不定期な日雇い就労で小遣いを稼ぎ、その範囲内で細やかな楽しみを見い出しています。しかし、この状態は親元にいての可能であり、親の年金が止められないようにと、親の死を隠していた事件の発生すらあります。

 植物の芽が伸びて花が咲き実がなるには、リンやカリなどの植物栄養素が過不足なく必要です。人間の子どももその時々に必要なものを過不足なく与え経験させる必要があります。非現実的な過干渉で、子どもを「盆栽人間」に仕立てようとするために、刈り込み過ぎて延びて欲しいところが伸びなかったのが、草食系男子のように思えてなりません。さらに草食過ぎる行き過ぎは、身近かの反面教師のせいかも知れません。

  

 

 

 

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