昨今若者考2
      

 

 今どきの若者は、せっかく学校に入学しても、希望した会社に就職しても、ゴールデンウイークから夏休みまでの間にあっさり辞めてしまいます。辞めた理由が分からない世の大人たちは、今どきの若者だからと分らないまま納得できた気になっているようです。

 今どきの若者たちは、新しい環境に不安を感じます。子どもの頃からの社会経験の不足がその原因であろうと思いますが、馴染んだ環境から新たな環境へ移ることを望みません。しかし、当たり前のことが当り前に出来ない情けなさからか、全く無欲で清貧であるかのような口ぶりをします。

 好きな音楽やゲームに浸る生活を楽しんでいるかのように振る舞っていますが、退屈していないかと問われて素直に退屈していると言ってくれるところに解決の糸口を感じます。しかし、海外留学や大学院進学からボランティア活動など身の振り方を模索するので、親元を離れて自活することは先送りになってしまいます。

 しかも、順調なかつてのクラスメイトなど”皆んな”の存在がいつも気になっていて、その差に開きを感じてしまいますと”一発逆転”を考えるようになります。テレビに出演して有名になることや、羽振りのよい資産家に嫁ぐなど、かつての”皆んな”から羨ましがられるようになりたいと願うのです。男女共に異性との出合いには特に熱心で、やはり”皆んな”から羨ましがられるような人との出会いを望みます。

 そのための努力は男女共に身を飾ることであり、相手がどう感じるかより自分が納得するまで頑張るのです。いかに美しく磨きあげるかで勝負が決まるかのように思っているようです。

 羽振りのよい資産家の結婚は、金持ち同士の「同類リッチ婚」か下積み時代から苦労を共に生きて来た「糟糠(そうこう)の妻婚」かであり、努力の成果である容姿端麗で見初められた「玉の輿婚」というのは殆ど無いのです。気の毒なことに、世の大人たちから生きる術を教えられていない若者たちは、独り船に乗って海図もコンパスも無く大海原への航海を強いられているようです。

 

 

 

oak-wood@lovelylab.net

http://www.lovelylab.net

 


もどる