宇宙船地球号と日本

 

 

 SF映画などで宇宙人は、ほぼ地球を侵略するように描かれています。どうやら友好親善のために来訪することは、ありえないと考えられているのです。

 その理由を考えてみますと、脳の発達の程度によるようです。草食動物の脳では、人間のように文明を創り出すことは出来ません。脳を発達させるためには多くの食料が必要です。草食では限界があり、肉食でなければ大量のエネルギーを取り込めません。高度な文明を創り出す脳は、常に大量のエネルギーを消費するからです。

 人間は草食動物を家畜化し食肉を確保していますが、このまま人口が増え続けたら飢餓が人口を抑制することになります。水が不足し砂漠化が進み食糧難となり、飢えた人たちは難民となります。人口が増え過ぎたら国連も機能しなくなり、食料を奪い合う争いが多発し弱肉強食の世界となってしまいます。

 地球上に人口が増え過ぎて食量不足となれば、地球外の惑星へ食料確保に侵略しなければならなくなります。この状況がまさに宇宙人が地球を侵略するのと同じ構造なのです。宇宙の彼方から地球へやって来られるのは、高度な文明を持たなければなし得ないからです。文明を謳歌すればするほど、終には侵略が必要となってしまうのです。

 ある心理学者が「ウォールデン2」という理想郷は実現できるという内容の本を著しました。好ましい行動に賞賛を与えると誰もが好ましい行動をとるいう理論に基づいたもので、警察も刑務所も不要な社会が成立するというものです。

 実現可能なユートピア論としては画期的なものです。理論的には正しいものですが、小さなコロニーであれば実現可能というもののように思います。著者が先進国に住む中産階級の人間であると言う視点が欠けているためでしょう。

 ご存知のように、地球上には東西問題と南北問題とがあります。東西問題は先進国同士ですから、互いの歩み寄りで解決の道はあります。しかし南北問題の解決は非常に困難です。南北問題は、北半球を主とする先進工業国と低緯度地帯と

南半球にある発展途上国との貧富の格差がもたらす政治経済的問題が山積したまま放置されていることです。

 北側先進国は既得権益を守ろうとし、南側途上国の飢餓や貧困を放置するからです。地球温暖化問題なども、北側先進国の論理で押し切ろうとしている限り平行線のままです。就労の機会が得られず貧困から抜け出られないことが、テ

ロの温床となっているのでしょう。

 貧困と絶望から生まれたイスラム過激集団が、日本は十字軍に参加したと日本を敵視するようになりました。歴史的経緯からも日本は、欧米先進国とは異なり好意的に受け取られて来ていました。近い将来イスラム過激集団は壊滅したとし

ても、南北問題が未解決のままではテロは無くならず拡散するでしょう。

 日本はテロを軽視しているのか、テロ攻撃にはに無防備です。一人のテロリストが海上から原発へ対戦車てき弾を撃ち込めば、一発で福島原発事故のような悲惨な状況となってしまうでしょう。

 日本は欧米先進国に追従するのではなく、南北問題の解決に繋がるような日本独自の路線を歩むべきです。南側途上国の飢餓や貧困が解消するように技術支援をなどして、南側途上国が経済発展し人口抑制に取り組めるよう協力すべきでし

ょう。

 

 

 

 

 

  

 

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